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任意整理の返済中に借入できる?バレるリスクや任意整理以外の対処法

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任意整理の返済中に借入できる?バレるリスクや任意整理以外の対処法

「任意整理中だけど借入はできる?」「任意整理中の借入がバレるとどうなるの?」

任意整理中に予定外の出費があり、借入をしたいと考える方もいるでしょう。

しかし、任意整理中に借入をするのはリスクが大きいです。

任意整理中に借入をするよりも、別の対処法を選ぶほうがおすすめです。

この記事では、「任意整理中に借入ができるのか」「任意整理中の借入がバレた場合に発生するリスク」「任意整理中に借入をしたいときのその他の対処法」を解説しています。

借入するほど金銭的に困った状態に陥った場合の相談先についても紹介しているので、任意整理中に借入できるか情報を集めている方はぜひ参考にしてみてください。

1.任意整理の返済中に借入はできる?しても大丈夫?

任意整理の返済中は、原則新規で借入することは不可能です。

そんななかでも、一部の方は任意整理中でも借入ができるケースもあります。

ですがたとえ借入できたとしても、基本的には任意整理中に借入をしないほうがいいです。

1-1.任意整理中に借入できない理由

任意整理をおこなうと、信用情報機関に事故情報を登録されるため、借入は基本的にできなくなります。

いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。

信用情報機関は具体的に下記の3つがあります。

借入やクレジットカードの作成を申し込んだ際に、金融業者は信用情報機関をチェックし、申込者に支払い能力があるかどうかを判断します。

そのため、任意整理中に借入を申し込んだとしてもブラックリスト入りしているために基本的に審査で引っかかり、借入できないことがほとんどでしょう。

任意整理とブラックリストの関係とは?いつ登録され何年で消える?

2.任意整理中に借入ができるところはある

任意整理中の借入は基本的にできないものの、一部の金融機関では任意整理中でもお金を貸付けていることもあります。

今回は、一部の金融機関として「すでに借入している業者」「中小の消費者金融」の2つを解説します。

2-1.すでに借入している金融機関

すでに借入している金融機関からの追加融資であれば、信用情報を改めてチェックされる可能性が低いため、借入をできることがあります。

ただし、貸金業者は定期的に信用情報を確認することが多いため、任意整理の開始後数ヶ月が経過すれば、新しく借入することは難しくなる可能性が高いです。

2-2.中小の消費者金融

大手の金融機関ではなく、中小の消費者金融であれば任意整理中でもお金を借入できるところがあります。

大手と比較して、中小の消費者金融は審査基準が緩く、どちらかというと支払い能力を重視されることが多いためです。

ただし中小の消費者金融の場合も、「総量規制」というお金を貸し出す金融機関はお金を借りる人の年収に対して3分の1を超えていけないルールが適応されるため、その点には注意が必要です。

2-2-1.闇金には注意する

よく耳にするのが、「借入の審査なし!即日の借入可能です!」という消費者金融。

こういった消費者金融は、法外の利息がかかったりしつこく取り立てをしてきたりといった闇金業者である可能性が高いです。

いくらお金が欲しいからといって、闇金業者からはお金を借りないようにしましょう。

3.任意整理中に借入をするリスク・借入がバレるリスク

任意整理中に借入をすると、下記5つのようなリスクが発生するためおすすめできません。

1.司法書士や弁護士にバレると辞任される
2.任意整理ができなくなる
3.任意整理の返済ができなくなる
4.一括請求や裁判に発展する
5.詐欺罪に該当する

それぞれ具体的に解説します。

3-1.司法書士や弁護士にバレると辞任される

任意整理を依頼している司法書士や弁護士に嘘をついて借入をしたり、勝手に借入をして司法書士や弁護士に支払う費用が払えなくなったりすると、司法書士や弁護士に辞任されるリスクが高まります。

専門家から「任意整理を進めるうえで有効な関係を築けない」「適切に任意整理を進める意思がない」と判断されてしまうと、信頼を失うためです。

ではなぜ、司法書士や弁護士などの専門家に新たな借入がバレてしまうのでしょうか。

専門家は、任意整理の返済計画を立てるために、依頼者の家計状況を把握しておかなければなりません。

そのため、依頼者の家計状況に不審な支出があれば、「新たな借入があるのではないか」と疑われ、最終的に借入したことがバレて辞任されてしまうという流れです。

一度専門家に辞任されてしまうと、そのあと別の司法書士や弁護士に依頼しても請け負ってもらえないリスクも高くなるので注意しましょう。

また、専門家に辞任されることで、以下のようなリスクもあります。

3-1-1.金融機関からの支払いの督促が再開する

専門家が辞任をすると、任意整理をおこなっていた金融機関へ辞任通知が送られます。

辞任通知が送られることで、金融機関から支払いの督促が再開し、任意整理前のような精神的ストレスを受けることなるでしょう。

3-1-2.「遅延損害金」が発生する可能性がある

金融機関からの督促が再開するにあたって、任意整理によって返済がおくれていた分の遅延損害金もあわせて請求されることがあります。

よって、蓋を開けてみれば任意整理前よりも支払わなければいけない金額が膨らんでしまう可能性が高いです。

3-2.任意整理ができなくなる

任意整理は、裁判所を介さずおこなわれるため法的効力がありません。

そのため、金融機関が交渉に応じてくれなければ進められなくなることも。

任意整理を滞りなく終えたい場合は、任意整理後は問題なく支払いできることをアピールする特に重要です。

ですが任意整理中に新たな借入をすると、信用情報機関に情報が登録され、金融機関がその情報を確認することで借入がバレてしまいます。

任意整理した業者に他の金融機関から新たに借入したことがバレると、任意整理の交渉に応じてくれない・和解成立しないリスクが高まってしまうのです。

3-3.任意整理の返済ができなくなる

任意整理によって利息はカットされますが、そのあとに返済を続ける必要があります。

そのような状況で借入をすると、当然返済額が増えることになり、任意整理の返済ができなくなるリスクが高まります。

さらに生活が苦しくなりかねないため、任意整理中の借入はおすすめできません。

3-4. 一括請求や裁判に発展する

任意整理中に借入したことが金融機関にバレて悪質だと判断された場合は、その時点で残っている借入金の返済を一括で請求される場合があります。

また、一括返済が難しいとなれば裁判に発展する可能性も。

裁判に発展した場合は、給与や預金口座を差し押さえられることもあり、さらに生活が苦しくなるでしょう。

3-5.詐欺罪に該当する

返済が現実的に不可能な状態で新たに借入をすると、詐欺罪に該当するリスクもあります。

たとえば、返済の意思がないにも関わらず借入を申し込むと欺罔行為(ぎもうこうい:人を欺く行為)に該当するのです。

任意整理中に別の業者から借入をして、すぐその別の業者に対しても債務整理をすると「返済の意思がなかったのに借入をした」として、欺罔行為を証明する事実になるリスクがあります。

4.任意整理の和解後はいつから借入可能?

では、任意整理の和解後はいつから借入できるのでしょうか。

ここでは、任意整理の和解後にいつから借入ができるようになるのかと、任意整理の和解後に借入をする際の注意点について解説していきます。

4-1.任意整理の和解後は約5年後から借入できる

任意整理の和解後は、約5年後から借入ができるようになります。

借金を完済して約5年が経過すると、信用情報機関から事故情報が削除されるためです。

借金の完済ができたからといって、すぐに借入できるわけではないということを覚えておきましょう。

4-2.任意整理の和解後に借入をする際の注意点

任意整理の和解後に借入するときは、以下の5点に注意してください。

  • ブラックリストから情報が消えているか確認する
  • 短期間でいくつもの金融機関に申し込まない
  • 任意整理をした金融機関は利用しない
  • クレジットヒストリーを作っておく
  • 収入を安定させ生活力を向上させる

任意整理の完済後については、以下の記事にて詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

任意整理完済後すぐにカードやローンは申し込める?完済後の注意点も解説

5.任意整理中で借入ができない場合の対処法

任意整理中で借入ができない場合でも、下記のようにさまざまな対処法があるので、活用できるものがないか確認してみましょう。

5-1.契約者貸付制度を利用する

契約者貸付制度とは、契約している生命保険を利用して保険会社からお金を借りる制度です。

生命保険によっては、保険を解約したときに「解約返戻金」というお金が戻ってくるので、それを担保としてお金を融資してもらえるという仕組みとなります。

借入時の審査が不要で、カードローンよりも金利が低いため、生命保険に加入している方は検討してみてください。

5-2.生活福祉資金制度を利用する

任意整理で和解が完了している場合は、生活福祉資金制度の利用が可能です。

生活福祉資金制度とは、障がいを持たれている方・高齢の方・基準をもとに低所得者と判断できる方の生活を経済的に支え、在宅福祉・社会参加の促進を目的とした貸付制度です。

条件に該当する方は生活福祉資金制度の利用を検討することで、借入をしなくて済む可能性があります。

ただし、和解交渉中は生活福祉資金制度の利用はできないため注意しましょう。

参考:生活福祉資金貸付制度

5-3.生活困窮者自立支援制度を利用する

生活困窮者自立支援制度とは、経済的に困窮し最低限度の生活を維持できなくなるリスクのある方が対象となる、自立支援制度です。

生活保護に至る前の段階で生活困窮者に対して、自立支援を強化する目的があります。

離職にともない住居を失ってしまった場合や、給与を得る機会が離職や廃業と同程度減少してしまっている場合に、市区町村ごとに定める額を上限とした住居確保給付金を支給してもらえる仕組みです(※条件を満たす必要あり)。

この制度を利用すれば家賃の支払いが軽くなるため、新たに借入をせずに済む可能性があります。

参考:生活困窮者自立支援制度
参考:住居確保給付金

5-4.生活保護制度を検討する

働けない・貯金がないなど、特定の条件に該当すれば生活保護制度を検討してみるのも良いでしょう。

生活保護制度とは、国が国民に対して「健康で文化的な最低限度の生活を保証する」という制度です。

条件に該当する方は積極的に検討しましょう。

参考:生活保護制度

5-5.医療費の一部減免制度を利用する

医療費の一部減免制度とは、一定基準以下の収入額である方に対して、医療機関窓口で支払う費用の減額または免除される制度です。

条件に該当し利用できるようであれば、医療費の負担が軽減されるため検討してみると良いでしょう。

各市区町村により条件や詳細は異なるので、注意してください。

5-6.フードバンクを利用する

フードバンクとは、品質や安全に問題がないにも関わらず、さまざまな事情で市場に流通できない食品を企業から寄贈してもらい、各施設・団体や生活困窮者に無償で提供する活動を指します。

利用できれば食費の負担を大きく減らせるでしょう。

必要に応じて問い合わせてみることをおすすめします。

参考:一般社団法人全国フードバンク推進協議会

5-7.失業手当(基本手当)を利用する

失業や自己都合による退職をして金銭的に厳しい状況になっている場合、失業手当(基本手当)を受給できます。

職がないことにより収入が減っている方は、積極的に利用しましょう。

ただし、すべての方が受給の対象となる訳ではないので注意してください。

5-8.別の債務整理を検討する

任意整理をしても金銭的に厳しい状況に陥るようであれば、そもそも任意整理が適切な債務整理でないことがあります(前提として浪費をしていなかった場合)。

任意整理以外の債務整理を進めることで、生活を大幅に立て直せる可能性があります。

任意整理を依頼している専門家に相談し、最適な債務整理の方法を選択してください。

6.任意整理中で金銭的に厳しい場合の相談先

任意整理中で金銭的に厳しい場合の相談先としては、下記がおすすめです。

それぞれ解説いたします。

6-1.国や地方自治体・市役所などの公的機関

借入ではなく、公的な支援を受け金銭的な負担軽減につなげるためにも、地方自治体や市役所などの公的機関へ相談することはおすすめです。

公的な支援を受けるためにはさまざまな条件があるため、どのような支援が受けられるのか確認するためにも早めに相談をしてみましょう。

6-2.金融系協会へ相談をする

各種金融系の協会では、借金に関する問題の相談を請け負ってくれるところが多く存在します。

節約のポイントや家計のやりくりについて相談できるので、金銭感覚を見直したい・節約についてアドバイスをもらいたい方は問い合わせてみるといいでしょう。

参考:公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会
参考:日本貸金業協会

6-3.司法書士や弁護士に相談

すでに任意整理手続きを司法書士や弁護士に依頼している場合は、依頼している専門家に相談するようにしましょう。

専門家への支払いを待ってもらえたり、適切な対処法について提案してもらえたりするためです。

現時点では依頼をしていない場合でも、司法書士や弁護士に相談してみることをおすすめします。

債務整理に関する相談は初回無料で請け負ってくれる専門家も多いので、現状の金銭面の問題も含め債務整理について相談してみるといいでしょう。

7.まとめ

任意整理中の借入は基本的にできません。

仮に借入をできたとしても、さらに生活が苦しくなるリスクが高いです。

そのため、任意整理中の新たな借入は絶対にしないようにしましょう。

任意整理中に金銭面で苦しくなった場合は、各種公的支援の活用を検討したり、債務整理の専門家である司法書士や弁護士に相談したりするのがおすすめです。

福岡市博多区にある佐藤司法書士事務所では、設立当初から債務整理に注力しており、15年以上の豊富な経験と実績があります。

加えて、初回相談・着手金・減額成功報酬0円で承っておりますので、金銭面や債務整理にお困りの方もお気軽にご相談ください。

「任意整理中だけど借入をしたい」

「任意整理中で借入ができない場合の対処法を知りたい」

「任意整理中の金銭面における問題を適切に解決したい」

このようにお悩みの方は、お気軽に佐藤司法書士事務所へご相談ください。



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コラム監修者

佐藤司法書士事務所 佐藤 直幸
佐藤 直幸
福岡市で債務整理業務15年以上で経験豊富な司法書士
借金の問題は「早く解決したほうがいい」ということに尽きます。
長く放置して解決できなくなる前にご相談ください。
相談しにくいことではあると思いますが、敷居を低くしてお待ちしていますので
遠慮なくご連絡いただけると幸いです。
誠心誠意対応させていただきます。早めにご相談ください。
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